2005年 09月 08日
誰かのため、と、誰かのせい
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真昼のビッチ/阿佐ヶ谷スパイダーズ
これを見たのは一年前。そのときはさらっと流れてゆく観劇のひとつだろうと思ったのですが、時が経つにつれ、なぜかよく思い出すようになりました。
うろ覚えの記憶だと、両親に捨てられた姉(高橋由美子)と精神的な障害を持った妹(馬渕英理加)を軸にした話。働き者の姉は自らの幸せを退け、懸命に働いて妹との暮らしを支える一見美談。
ところが姉は妹の治療を実は拒んでいた。姉の不在に治療された妹は見る間に回復して正気を取り戻すのですが、これに姉は取り乱し、治療を中止させる。再び妹は障害者へ戻り、姉妹は元の不幸な生活に安穏とするのです。
妹のために生きる。
妹のせいにして生きる。
もっとも遠いように思っていたこの二つは同じことだったんだ。と気づいたとき、私は少し怖くなりました。
友達のため、恋人のため、家族のため、会社のため、誰かのために。
その裏側に、誰かのせい、とする依存や傲慢が隠れてはいないか?
そして
誰かのためという大義名分は
その人を縛る鎖となってしまうかもしれない。
愛しながらダメにして、守りながら依存するという構図。
何で今になってこの舞台が頭から離れないのかはよく分からないのですが、誰のためでもなく全て自分のため、と腹をくくってひとりすっくと立つ。そんな姿勢を最近、すごく潔いと感じます。
これを見たのは一年前。そのときはさらっと流れてゆく観劇のひとつだろうと思ったのですが、時が経つにつれ、なぜかよく思い出すようになりました。
うろ覚えの記憶だと、両親に捨てられた姉(高橋由美子)と精神的な障害を持った妹(馬渕英理加)を軸にした話。働き者の姉は自らの幸せを退け、懸命に働いて妹との暮らしを支える一見美談。
ところが姉は妹の治療を実は拒んでいた。姉の不在に治療された妹は見る間に回復して正気を取り戻すのですが、これに姉は取り乱し、治療を中止させる。再び妹は障害者へ戻り、姉妹は元の不幸な生活に安穏とするのです。
妹のために生きる。
妹のせいにして生きる。
もっとも遠いように思っていたこの二つは同じことだったんだ。と気づいたとき、私は少し怖くなりました。
友達のため、恋人のため、家族のため、会社のため、誰かのために。
その裏側に、誰かのせい、とする依存や傲慢が隠れてはいないか?
そして
誰かのためという大義名分は
その人を縛る鎖となってしまうかもしれない。
愛しながらダメにして、守りながら依存するという構図。
何で今になってこの舞台が頭から離れないのかはよく分からないのですが、誰のためでもなく全て自分のため、と腹をくくってひとりすっくと立つ。そんな姿勢を最近、すごく潔いと感じます。
by taira5577
| 2005-09-08 16:39
| 演劇