2007年 03月 24日
統合とは言ってみたものの
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西洋医学以外の世界をうろつきはじめてだいぶ経ってしまった。自分の腰痛とニキビを治したくて、マクロビオティックと断食をはじめたのが入り口だった。
そこで抗生物質と痛み止めと縁が切れ、医者ではなく自分自身の力で病気を治すことができると知ってしまったのが運のツキ。整体、ヨガ、鍼灸、漢方、ホメオパシー、クリスタルボウル、心理療法、果ては催眠まで。生来の好奇心が災いしてズブズブとハマり、代替療法ジプシーを経て今に至る。
全ての治療を通じて感じたのは、心と体の関係の不思議さ、おもしろさ。そして究極、治癒とは心の変化だと思う。病気の意味に気づくこと。かけ離れてしまった本来の姿に戻ること。このための手法は西洋医学だろうと催眠だろうとなんでもいいんじゃないか、という気がしている。
とはいえ、それはあくまで極論であり、痒みに苦しむアトピーの犬を前にしてそんなことを説いても意味はなく、現実的な対処に追われるわけだけれど。
西洋医学と東洋医学、現代医学と代替療法を合わせた統合医療、なるものがある。お互いの足りないところを補い合って、より完全な治療を目指そうというものだ。
私ももちろん、それを目指していた。西洋医学が不得意とするところを、鍼灸やホメオパシーで補っていけたらいいと簡単に思ってた。
しかしその耳ざわりの良さに反して、統合医療の実現はかなり困難だと、今頃やっと気づいた。なにせ、このふたつの医療はもともとその理論が真っ向から対立するもんだから、両方同時にやろうとすると、言ってることとやってることが矛盾だらけになってしまう。
例えば予防接種。例えばステロイド。かたや自己治癒力を発動させながら、もう一方でその自己治癒力を封じ込めるような処方をせざるを得ないことが多い。ホメオパシーの講義で予防接種の害を散々洗脳された後、診察室で予防接種を打つ日々はなかなかに大変だ。
こんな葛藤に意味があるのか?良いとこ取りどころか、どっちつかずの中途半端な治療になってしまう。どちらにしても完璧な医療ではないんだから、西洋医学だけの世界に戻り、西洋医学の良い面を最大限に享受した方がトータルとしてメリットは大きいのではないかと思うことがある。
どちらにしても「絶対に」「100%」正しい治療なんて存在しない。魔法の術なんてない。それを知ることができただけでも良しとしよう。どんな方法を使ったとしても、症状という体からのメッセージの通訳者でありたいと思うことに変わりはない。
by taira5577
| 2007-03-24 11:15
| 代替医療を探る